さいたま市中央区本町西1-13-10
正円寺から、街道に戻り、右に南下する。この道は、南にまっすぐのびており、古い街道は曲折が多いのに珍しい。この辺は神社やお寺が多い。 正円寺の街道の反対側に少し入るが、長伝寺があり、街道を南下すると、すぐ左に、一山神社が細い参道の奥ふかくに見える。
700mほど商店街を行くと、右手に円乗院がみえてくる。 円乗院は敷地3千坪もある古刹で、建久年間(1190〜1199)年、畠山重忠によって創建されたという。 このお寺を、入口から正面をみると、新しく建てかえられた仁王門があり、その右には二天門と書かれた古めかしい門がある。
仁王は荒けづりの古い像で、仁王門の裏には、四天王像が二体づつ納められている。 中に入ると、右に多宝塔、その先に大日堂、左には寺歴の深さを証明するかのように、石造物が数多く並べられており、正面本堂の右脇に不動堂がある。
一間四方くらいの瓦ぶきの古びたお堂だが六十二番扁額はみえないので、ご住職に伺うと、このお寺の本尊は五大明王といい、不動明王を中心に、 隆三世明王、軍茶利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王の五明王で、寺伝によれば弘安年間(1278〜1288)年の作という。
山門の北側にも不動堂があったが今はとりこわされて、現在はそこにあった不動尊は、多宝塔内にあるとのことであった。 本堂の五大明王の他に多宝党内の不動堂、さらに本堂右脇の不動堂と、いく体もの不動尊がこの寺にあるが、ご住職の説明では百不動の扁額は心あたりがないらしい。
このお寺の大日堂の前に、大きな石造物がいくつか並んでいるが、その中に、石塔型の六地蔵がある。 上部がいくらか欠損しているが、それでも2.5mの高さがあり、中部に六角にカットされた面に六地蔵が浮きぼりされている。
地蔵尊の下には、24名の寄進者の名もみえる。裏に、漢文12(1672)年の銘があり、珍しい六地蔵である。 このお寺には、ご朱印状九通、けまん七個の他、数々の寺宝や古い堂宇をもっており、年中行事も多い。多宝塔と、大日堂の行事は毎月行なわれている。
百不動寺院の中で、一、二を争う規模の大寺院である。(高島英一著より)

2009年9月10日参拝

御詠歌   うこきなく おしへにまかせよのなかを 円かに乗や のりのふなみち

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